ぴぴるぴるぴ― 

「あ」 
呪文が途切れました。 
「何々どうしたのドクロちゃん!?頼むから早く治してよぉっ!!」 
「エスカリボルグ、あっちだから…」 
ドクロちゃんの指差す方向を見ると、壁には相変わらず鋼鉄バットが突き立っています。 
治す為にはあれが必要な訳で。で、ここからは手が届かない訳です。 
「てへっ☆」 
「舌出してごまかしても駄目っ!使い物にならなくなったら大変でしょ!? 
一回立って取ってくればいいじゃない!」 
「面倒なんだもん」 
ドクロちゃんはうるさそうに応え、 
「…じゃあ、こうして治療してあげるよ」と、僕の下腹部に顔を近づけました。 
「はあぁっ!?」 
僕の口内を蹂躙していた舌が、今度は肉棒を舐め上げています。 
当然ながら、初めての体験です。 
ときには舌先が先っちょを掠め、ときには舌全体が側面に擦りつけられ… 
とても素人とは思えないワザ。どこでそんなのを覚えてきたのでしょう。 
ふと、例の本が視界に入りました。開かれたページの見出しには― 
『☆舐めかた咥えかた☆』 
「嘘おぉぉ!?」 
何でこんな本が学校の図書館に置いてあるんでしょうか。 
「桜君の、凄いね…ビクビクしてるよ?」 
そんな事をされたら当然です。 
ちなみにドクロちゃんはぺろぺろと舐め続けるだけで、咥える様子はありません。 
いくら彼女でも、初めて間近で見る男性器を口に運ぶのは、さすがに抵抗があるのでしょう。 
なので、とっても気持ち良いのに絶頂に達することができません。 
悶々としたまま、妙にゆっくりと時間が過ぎていきます。 
「桜君…もっと気持ちいい事、して欲しいよね?」 
答は言うまでもありません。
けれどドクロちゃんは 「ちゃんと言わないと分からないよ?」と、僕を催促します。 
「もっと…」
僕は仕方なく。
「もっと凄い事…して欲しいよ」 
赤面しつつ、正直にお願いしました。 


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