「んん……うぅ…」 
抵抗虚しく、数秒後には僕の舌はドクロちゃんの舌に絡めとられてしまいました。 
実際にはそんな筈はないのですが、何となく甘いような感じがします。 
ぶっちゃけ、とっても気持ちいいです、はい。とろけそうです。 
部屋に、舌がくっついては離れるぴちゃぴちゃという音だけが響きます。 
まるまる二・三分はそうしていたでしょうか・・・ようやくドクロちゃんは顔を離してくれました。 
「ぷはぁ…」 
僕はようやく息苦しさから解放され、酸素を求めて喘ぎました。 
「どう?桜君、気持ち良かった?」 
「なっ!?」 
そんな質問に答えられるワケがありません。 
僕が無言でいると、ドクロちゃんは僕の首筋に指を這わせ、からかうように言いました。 
「そんなにぐったりしてるんだもんね…それじゃ、言わなくても同じだよ」 
ぐぅ。これでは完全にドクロちゃんのペースです。 
考えてみれば、勿体な過ぎる話じゃあないですか。 
この状況のきっかけは『からだのしくみ』の本です。 
ならば事の運びが少し違えば、今の僕とドクロちゃんの位置は逆だった筈です。 
『「桜君…何でボクを押し倒すの?」 
「この本の内容が正しいか知りたいんでしょ?僕がたっぷりと協力してあげるよ」 
「ダメだよ、桜君……あっ…ヤだ、そんな所はぁっ!」』 
とまあ、そんな感じに。 
それなのに何ですか、この体たらくは。僕は決心し、反撃に移る事にしました。 
「ドクロちゃん」 
「何?」 
「パンツ見えてるよ」 
そう。帰ってきたばかりなので、ドクロちゃんは制服のまま。 
マウントポジションなんかとったら、その水色しましまパンツ(小さいリボン一つ付き)が 
丸見えになるのは当然です。 
さぁドクロちゃん、恥ずかしさにうち震えるがいいです!っていうかどいて下さい。 


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