「こんなの…ずるい…っ!」
「全くもって狡くありません。私は言われた場所には一切触っていませんよ」
体つきを調べるように一通り上半身を撫でまわすと、雛子はひとまず手を休めた。
「体のバランスもよろしいですね。
ところでさくらさん…もしかして、くすぐったがり屋さんですか?」
「えっ…?」
予想だにしない質問に、戸惑いの声があがる。
「だいぶ敏感なようでしたが。例えば、この辺りとか」
雛子が不意打ち気味に脇腹をつつくと、さくらは「きゃうっ!」と体を跳ねさせた。
その反応ににんまりと笑い、雛子はさくらの顔をのぞきこむ。
「可愛らしい声ですねぇ。
おもらし以外のことは考えていませんでしたが、これも撮る価値がありそうです」
さくらの肩を抱くようにして、熱っぽい口調で囁く。
「どんな感じですか?
これから私にたっぷりくすぐられて、おもらしまでしてしまうかもしれないという時の気分は」
さくらは答えなかったが、人差し指でつつ…っと背筋をなぞられると、ひきつったように息をつまらせた。
「お返事がありませんね…では、体に答えてもらいましょうか」
雛子は呟くように言うと、両手を伸ばしてさくらに触れた。
「…っく!…や……あっ!」
雛子の手がさくらの腋へと滑り込む。
「まずはここから。いきますよ」
「――っっ!ぁ…やめぇっ……ひぅっ!」
腋をきつくしめるが、雛子の指先は完全に中に入り込んでいる。
雛子は手を挟まれたまま、指先をくにくにと動かす。
「抵抗しても無駄ですよ。ほら、こちょこちょこちょ…」
「ひっ…!ゃ、やめっ!あはっ…やあぁああっ!」
たまらないくすぐったさがさくらを襲う。
人並みにくすぐられた経験はあるものの、逆に言えば耐性があるはずもない。
雛子の手つきはいやらしく、彼女がくすぐりという子どもらしい行為に
性的な意思をこめていることは明らかであった。
何度もさくらの腰が浮き上がるが、縛られていては立ち上がることはできない。
「もう少し大人しくされたらどうですか?体力が保ちませんよ」
言いながらも指は止まらない。
腋からくすぐったさが消えたかと思うと、今度は脇腹に手があてがわれる。
「ん…ふぁっ…きゃはははっ!や、だめ、やめてえぇ!!」
部屋中にけたたましい笑い声が響いた。
雛子の指は脇腹をがっしりと掴み、そこを丁寧に揉みこむ。
腹がつってしまうのではないかと思う程の刺激。
全身がビクビクと震え、体内の水が大きく波打つ。
(やだ……動きたくないのに…!)
さくらは、自分の体がいつのまにか尿意を催してきたことに気づいた。
「ぁ…んっ!ぁは…ははははっ!」


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