(作戦…?そうだ、作戦だ!) 
早苗の言葉を聞き、加奈の意識が戻ってきた。 
今は完全に早苗の三角絞めが決まっている。 
しかし逆に言えば、攻めている早苗も身動きはとれないのだ。また、加奈の腕は固めれていない。 
そう。この状態からなら…用意して来た「作戦」を始められる。 
(そーっと…) 
加奈は自由な両腕を、怪しまれないようにゆっくりと前に伸ばす。 
そして手が早苗のお尻に触れると、むにっと鷲掴みにした。 
「ぅひゃっ!?」 
予想外の反撃に、早苗は思わず足を外してしまう。 
加奈は動揺している早苗をうつ伏せにし、足の方を向いて腰に座る。
「加奈ちゃん、今のは卑怯だよ〜!」 
「何でもありのルールでしょ?全然卑怯じゃないよ」
早苗は背中の加奈をどかそうとするが、両足首を掴まれてしまった。
加奈は、そのまま両手を体に引き寄せる。
逆エビ固め。腕ひしぎ十字と並んで、子どもでもできるメジャーなあの技だ。
「どう、早苗ちゃん。結構キツいでしょ」
「ん……つっ…ズル、いぃ…」
早苗は体が柔らかく、逆エビを極められてもそこまで強烈な痛みはない。
だが、その分思いきり体を反らされてしまい、全くと言っていい程身動きが取れなかった。
「だーかーら。ズルくないって。そんな事言ってると…」
加奈は早苗の左足を離し、自分の片手を自由にする。
それでも右足は完全に押さえ込まれているので、早苗は暴れることもできない。
「ちょっ…何するの?」
「こうするの〜」
加奈は右手を早苗のお尻にあて、先ほどと同じように、むぎゅっと強めに揉んだ。


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